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思いっきり気落ちしながら大学から帰宅。
帰って来る途中で店を見たけど、予約制スタートするのは明日の土曜日からで、今まで通りだった今日相変わらず早仕舞されてたから、今日も大変だったんだろうなぁ…
気を紛らわす為にも、ケーキ作り手伝いに行こう。
そう思って再度家を出たら、家の近所の公園のブランコに、しょんぼりした様子で座っていた小椋姉妹の四女を見掛けた。
…あの子も、何か嫌な事でも有ったかな?
なんとなく気になって近付いて行って声を掛けた。
「こんにちは」
「…ぇ?…あ、こんにちは、エトワールのお兄さん…」
「どうかした?落ち込んでるっぽいですけど…」
「…はい…今日………………シュークリームが買えなかったのです……」
悲しそうな涙目で彼女が言った事に、ちょっと悲しみの方向性が思っていたのと違い過ぎて面食らってしまった。
「…え…?それで落ち込んでるんですか?他に理由は…」
「シュークリームが買えなかったのですよ…っ
ちゃんと行列に並んだのに出遅れてしまって、私のちょっと前で全部品切れで…
私の1週間に1度の楽しみがっ!毎週金曜日の20個のシュークリームで1週間ハッピーに過ごせてたのに
…」
「20個!?1人で!?」
「勿論です!20個くらい余裕のヨッちゃんです!
なのにっ今週は1個も買えなかったんですよ…!」
「でも…シュークリームなら他の店でも…」
「私はエトワールのシュークリームが大好きなのです…他のシュークリームも美味しいですが、やっぱり1週間ハッピーに過ごす為には、他のシュークリームじゃ駄目なのです…エトワールのシュークリームじゃなきゃ頑張れないのです…」
「…そっか…」
そっかだから…店長が「どうしてもシュークリームだけは…」って、シュークリームに拘ってたのかも…
「なんか、ごめんなさい…シュークリームまで売切れにさせてしまって…」
「…しょうがないんです…分かってはいます…真様が宣伝して売れない理由が無いのです…
うちだって、この間予約したケーキが「なんか見た事有るな〜」と思ってたら実は真様のブログに載ってたのと同じケーキで、お姉ちゃん達と大興奮だったんですから…真様ファンならきっと誰でも食べたいと思ってた筈です…
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