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予約制を開始した土曜日は、流石に今までのように長蛇の列が出来る事態にはならなかった。
時間で買いに来てもらうので段々対応が出来てスムーズで、しかし予約制になったのを知らないで来たファンがやっぱりチラホラいたので、そういうのはお断りして。
お陰で新作ケーキが目当てだけで全て一緒に品切れるという事はなくなった。
これなら今までの常連さんにも販売出来る。
この店は通常毎週火曜日を定休にしてるんだけど、今週は火曜日も休まず営業したものの、予約制を導入したので、来週から定休日は通常通り。
で、その予約の方はと言うと…
木曜日の夕方から予約受付てたけど、なんと土曜日の時点で半年待ちという状態になった。
店への電話も結局ひっきり無しで、HPへのメール予約もまだ沢山…
きっとこの予約はまだまだ伸びる…
と思ってたら、日曜日には10ヶ月先まで予約で埋まってしまって、店長がここで予約を止めるべきかどうかを物凄く悩んでいた。
確かに…10ヶ月も先って……
10ヶ月待つファンが最早凄い…
それが結局どうする事にしたのかは不明なまま。
月曜日、いつも通り大学行って尚と琢郎と駄弁っていたら、岡村という女の子が他数名の女の子を連れて此方に寄ってきて、尚の隣に座った。
「あのさ…真くんと付き合いの長い黒木くんと丸山くんに相談に乗ってほしいんだけど…」
「うん?なに?」
「…私、一昨日、他の大学に行った友達に誘われて合コンに行ったんだよ…」
「ほぉ」
「相手、東応大の医学部の3年生で…比較的顔もまぁまぁ、条件的には悪くなかったんだけど…
何話してても、なんか違うの…「真くんならこうやって言ってくれるのに」って思っちゃうの…相手の男子達の反応、下心丸出しか自分の自慢ばっかりでクソ過ぎて、全然こっちがほしい会話にならないの。「真くんなら…」ってどうしても思っちゃって…
って気付いたんだけど、私真くんの事本気で好きなんだよ…ファンとしてじゃなくて…
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