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車に乗ってた間に真が言ってたけど、取り敢えず入学式の時の金田さん達の様にガードする必要は無く、真が直ぐに話し掛けられる位置に居てほしいとの事。
ファンの子達だけに周りを取り囲まれ続けるのは、流石の真も辛いらしい。
…教習所では完全にそうだったけど、実は大分大変だったんだな…
だからファンじゃないっぽかった俺に凄く話を振ってくれたのかもしれない。
大学に着くと予定通り経済学部に近い門の前で車を降りた。
入学式の時の様に一瞬で歓声があがったりだとかは流石に無かったけど、周りの視線が一瞬で真に向けられた。
「どーせまた直ぐ取り囲まれる…」
「かな?悪いけど今度は声掛けられる位置に居てな?」
独り言のつもりで呟いた言葉に一瞬苦笑いで返してくれた真は、次の瞬間はもう爽やか笑顔だった。
思った通りファンの子達が直ぐに寄ってきたから。
「おはようございます!真くんっ!」
「はじめまして!私辺見愛花って言います!同じ学部なんです!宜しくお願いしますっ!」
「真くんはじめまして!私は…」
寄ってきたファンの女の子達が、友達になりたいらしくこぞって真に自己紹介をしまくる。
あっという間に真の周りがカオスになったけど、今日は弾き出されてなるものかと踏みとどまる。
ただまぁ身動きが取れなくて、その場に突っ立ってしまっていたら、
「ここだと邪魔になるから、進みながら話そ」
と、真が自分で女の子達を促して足を進めた、ついでに俺の背中も促すようにちょっと押した。
真が今俺に触った!
一瞬で脳内お祭り騒ぎになったけど、直ぐに恋人が居る事を思い出して気持ちを鎮める。
周りを取り囲まれながらも、一応スムーズに?講義室には行けて、入口から手前の一番前の席に真が行ったので付いていくと、席に座る際に真に
「桜井こっちな」
と真の右隣に座るように真に言われてそこに座った。その真後ろに琢郎と尚。
「あ、やっぱこの布陣がいいなwこれから出来ればこの並びで宜しくw」
「了解w俺3年連続久保っちの後ろの席っつーw」
「俺近くの席来れたの初めてだw」
「席順無いからなw千葉ポジに桜井w」
元々の同級生3人が楽しそうに笑って話していた途中、俺の方に体を向けていた真が今度は俺の肩に手を置いた。
クッ…平常心…っ
「千葉って奴はここ受けなかったんだ?」
「そー、千葉だけ別でさ〜」
「丸山くんと黒木くんは、真くんの高校の時の友達なんですか?」
「うん」
「そうだよ」
「桜井くんは?」
「別だけど、大学入る前に仲良くなったんだよな」
「そう」
入る前どころか、ちゃんと友達認定してもらえたのは入学式当日だったけど…
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