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次の週大学の教室に行くと優花が近寄ってきた。
「ねぇ七海、ダイキくん大丈夫だった?」
「あ、うん、大丈夫だよ。ごめんね。あの後心配だったからさ部屋行ったら普通に寝てたみたい。」
「そか。てかさ、、」
「どしたの?」
「ダイキくんのJENIなかったんだよね、、?まさかだと思うけど話盛ってる?本当に彼氏?」
「盛ってないよ。ひどいなぁ。本当に付き合ってるよ。」
「だよね。ごめん。また写真UPしてね。みんな期待してると思う。」
七海は焦った。
--やばい、ダイキがいなくなったなんて言えない。私が遊ばれてたかもなんていえないし。しかも付き合って1週間くらいだし、こんなすぐ別れたとかも言えなくない?イメージ下がるじゃん。もっと写真UPしなきゃ。なんとしてもダイキを探さなきゃ。
七海は授業が終わった後、ダイキの行きつけのカフェに向かった。水曜日はあのカフェに必ず行くっと言っていた。
カフェはガラス張りで外からも中にいる人を見ることができた。そこにはコーヒーを飲むダイキの姿があった。
「いた。」
七海は叫んだ後、
怒った表情でカフェにズカズカと入って行った。
「ダイキ!どーゆーこと?家も引っ越してるし、私すごい恥かいたんだよ?」
ダイキは目を見開きびっくりしながら言った。
「え、、君、だれ?」
「何トボケてんのよ。私とやりたかっただけ?私に恥かかせるなんて何様?」
きょとんとした顔で七海を見上げた。
「え?ナンパ、、ですか?」
「どこまでもとぼけるつもりね。もーいいわ。最後に写真だけ撮らせてよね。私とやった分これでチャラにできるんだからおあいこよ。」
七海はカバンから自撮り棒を取り出しスマホをセットした。お決まりの斜め上45度から写真を何枚も撮った。写真を確認すると、ダイキは訳がわからなそうな顔で写っていたり、下を向いているものが大半だった。
--もう、ちゃんと写ってよね。まぁいいわ、私の写りは全部いいし、下向きのをUPしたらいいわよね。恥ずかしいみたいです。みたいにしとこ。あとは夏休み明けにでもやっぱり別れちゃったみたいにしたらいいや。新しい彼氏またJENIで探そ。
「これはJENIにUPするから。じゃ、一生さよなら。」
七海は啖呵を切ってカフェを後にした。
七海は寝る前に写真を加工し、JENIにUPした。
「彼氏とカフェに行きました。ご報告の写真は、ケンカした衝撃で消しちゃいました。笑、今は仲直りしたのでまたUPしてます。彼は恥ずかしがり屋。」
明日にはたくさんコメントがつくはず。
七海は心地いい眠りについた。
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