第十一章 ハッピー・ホワイトデー

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「あ、あぁ! はぁッ! あ、もう! 僕、僕、もうダメぇえ!」  聖の吐いた精が、駿佑の腹まで飛んだ。 「今夜、何回目だ? 若いと元気だな」 「ぅんッ、もう! 駿佑さんが! 駿佑さんの、せいですからぁ!」 「中、よく動いてるぞ。気持ちが悦いな」  駿佑も、色に眩んだ目をして聖を見下ろしていた。  彼の体内は、ひどく気持ちが悦い。  このまま溶けて、全身潜り込んでしまいたくなるような気にさえなるのだ。 「さあ、出すぞ」 「駿佑さんッ! あ、はぁ! 早くぅう!」  骨を軋ませ、駿佑は聖に密着した。  細い腰を抱き、自分に擦り付けた。 「あ! イく! イッちゃうぅう!」  聖がオーガズムに達するとほぼ同時に、駿佑は彼に子種を注ぎ込んだ。 「あ……熱ぅい……ッ!」  ひくひくと痙攣する聖の体を、しっかりと抱き留める。  震えがこちらにも伝わり、心地よい。  せっかくバスを使ったのに、二人とも汗まみれだ。  深く息を吐きながら、駿佑は聖にささやいた。 「もう一度、シャワーを浴びなきゃな」 「んぅ……。はぁ、あん……」  シャワーは、朝でもいいか。  この満ち足りた空気を、かき乱したくはない。  駿佑は聖を胸に抱き、甘い余韻を味わった。 「ハッピー・ホワイトデー」  素敵な夜を、胸に刻んだ。
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