378人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
気さくで優しくて頼りがいがある。そんな彼を友として好きになるのはあっという間だった。
だが、この頃はなにか様子がおかしい。
セドリックを見るとやたらときらきらとして見てるし、今まで通りに話をしているだけなのに顔を見ると胸が弾むのだ。
その正体に気が付いたのは、セドリックの口からよく出てくる「ドニ」という人の子の存在でだ。
ドニのことを話すときのセドリックはとても楽しそうで、まるで恋をしているかのようだった。
友が恋をしている。驚きとともに心の奥底には黒くもやもやとしたものを感じた。
その子を店に連れてきたとき、ブレーズはセドリックを応援しようと心に決めた。
ドニは自分よりも低く体も細い。そして目がくりっとしていてタレ目な自分とは違い可愛い顔をしている。
しかも獣人に対する愛が強く、自分も同じなので素直にそれは嬉しかったし仲良くしたいと思った。
だが全てはブレーズの勘違いだった。セドリックはドニが好きな人がいるのを知っていて、鈍い雄のためにと当て馬になったというわけだ。
そこには恋愛感情ではなく大好きなふたりに幸せになってほしかった、早い話はセドリックはおせっかいを焼いただけだったのだ。
その話を聞いて胸のもやもやの正体に気が付いていしまった。それからというものブレーズはセドリックに片思いをしていた。
最初のコメントを投稿しよう!