「捨てちゃって!」はないわなぁ

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12月半ばのある日、ちょっと遅れた昼休み。 片手にお握り、片手にスマホ。 ん?義姉(おねえ)からライン通話着信2回。 何かあったん? 「あ、おねえ?どうした?」 私は折り返し電話をかけた。 「どうしたってぇ、忙しいだろうと思って昼休み電話したのに!ねえ、お義母さんが暮れに帰って来るのかって聞いてるよ」 「あぁ、それか、今年は帰らない方がいいよね?ってか忙しいからお昼休みの時間に休憩とれないから!ラインにしてよ」 「だと思った、お義母さんがあんたの部屋の大掃除どうしようって…ほらこんなんなるのわかんないから、引っ越す時に後は暮れに帰って来てするって、部屋そのままじゃない」 「別にそのままでもいいんだけど…」 「じゃなくて!お義母の性格わかってるでしょ?散らかったまま年越したくないって…」 「はぁ…。あんさぁ残してある物っていらない物だから捨てちゃっていいよ」 「本は?」 「本はおねえに任せる、出版社だったから適当に見極められんでしょ?」 「あんたの、小難しい参考書とかそこら辺はいらないんだったらやっておくよ」 「うん、判んないのは押し入れにまとめて入れといて、あとは捨てていいよ」 私はやっと取れた休憩なのにと思ってしまい。少し不機嫌に電話を切ってしまった。 向かいの席の先輩は男なのにと言ってはいけないが…パンのランチBOXとスタバのコーヒーでお洒落にデスクランチをしている。 因みに私はお握りとお~いお茶。
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