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入院
意識がはっきりしたのは、事故にあった日から二週間程たった時だった。
母の話によると、事故にあって意識不明の重体で今夜が峠ですと言われて昏睡状態のまま眠っていたようだった。
「お母さん、そういえば、凪は大丈夫??私と一緒に事故にあったでしょ?」
母はきょとんとしてたと思えば、笑って「そんな事は考えないで今は元気になる事だけ考えなさい。大丈夫だから。」そう言って布団をかけ直す。
意識が戻ってから回復するまでに時間が凄くかかった気がする。
ずっと寝たきりで眠る事にも飽きた。
少しずつ、起き上がるようにと言われたが、起きようとすると頭がくらくらして、すぐに横になる。
辛すぎてたまらない。どうしてこんなに辛い想いをしないといけないのか?
一日一日やり過ごす事がやっとで、どうなってしまうのかと落ち込む事もあった。
周りの人達は、治ってきてる。と言うけれどそうは思えなかった。
両親に心配をかけない為に、必死に笑顔でなんてことないと元気な様に取り繕う。
身体は、起き上がり、点滴のみの生活から食事は流動食からお粥になり、
普通の食事も食べられるようになった。
身体だけは日に日に回復していった。
でも、心はどうしてなのか、ソワソワしてばかりで張り裂けそうに苦しかった。
夜とともに…闇が押し寄せてきて包み込んでいく...。
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