三十の尻括り

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今回の非常事態宣言でサービス接客業の自分は就業時間が大幅に減り、あまりに暇だったので掃除をすることにした。 掃除をはじめて約一時間。 すると棚の奥から埃まみれの日記が出てきた。 厳密にいうとそれは主に三行日記と感動した事のメモ、あるいは創作のアイディアなどが詰まった370ページ強のシステム手帳である。 日記は何冊かあるはずなのだが、どうやら年号から察するに自分の大学1年生辺りのようだ。 ちょうどいま創作に行き詰っていたので何か良いネタが無いかと思い、適当な所でページを開いてみると 『この一週間、バイトも大学もサボりまくって、家でひたすら昼寝してたらおならでドレミファソラシドが出せるようになった。忘れない内にやり方をここに記しておこうと思う(笑)』 それから箇条書きで "ドはフローリングの床であぐら。両ケツを4しっかり地面にめり込ませた上で80%の力加減で” “レは勢いを殺しながら、左半ケツを45°浮かして放屁。なぜか畳の上だと調子が良い” “ミはしっかり空気を抜いたビニール袋を敷いて…” 最後まで耐え切れず、システム手帳を閉じてゴミ箱に捨てた。 ほんとうに小さな大掃除だった。 あの頃に比べればコロナなんて屁でもない。 <了>
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