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「あの、だって、いきなりそんなっ…」
そりゃ、先々そういう話になるとは思ってるけど、付き合った次の日に結婚って、
さすがにビックリと言いますか…
私がちょっと視線を下に落とすと、二条先生は起き上がって私の頬を指の背でふわっと撫でた。
「だめでしょうか。
たまらないほど貴方が好きなんですよ、私は。
言ったでしょう?私だけの悠夏さんになってほしいと。」
…!!
ず、ずるいっ…!!
その言い方、ズルすぎる…!!
「それ、はっ…」
「それとも、悠夏さんは私以上の男を見つける自信がお有りで?」
甘やかで、狡猾な笑み。
二条先生はそんな笑みを浮かべたまま、私の唇を親指でなぞる。
なんて、自信家。
いやな、人。
「…っ、」
恥ずかしさで押し黙る私に、二条先生は追い打ちをかけた。
「貴方をこんなにも満足させられる男が他にいるとでも?
そう思うなら、もう一度試してみましょうか。
貴方がどれだけ私を欲していたか、もっと奥まで分からせてあげますよ。」
!!!!
ちょっ、それはもう体力的にも無理…!!
「っ、こ、こんな闇討ちみたいなプロポーズされると思いませんでした。」
私がベッドシーツで体を隠しながら言うと、二条先生はクスッと笑う。
「闇討ちだなんて酷いな。」
「…、お受け、します。」
言った。
私、言った。
私は、二条先生の目を真っ直ぐに見つめた。
「っ、先生のプロポーズ、お受けいたします…!
っ、先生こそ、私以上の女なんて今後みつけられませんよ!!見つけたとしてもっ、先生みたいな変態はみんな逃げていきます!!」
「プロポーズの返事で余計なことは言わなくていいですよ。」
はむっ…と、食べるような優しいキス。
唇を離した先生は、優しく笑っていた。
「結婚しよう。」
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