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『響!!!!!!!!!お母様は許しませんよ!!!!そんな一般人との結婚なんて!!!!!!!二条家の役目を忘れたのですか!!!!!貴方はきちんとした家のお嬢さんと結婚するって決まってるの!!!!!響!!!聞いてるの!!?響!!!!!!!』
ひぃいいいいっっ!!
お母様、繋がるなり全力で結婚反対してきたぁああぁあああ!!!
音割れするほどの声量で息子を怒鳴るお母様。
当の本人はというと、全く気にも止めない様子でタブレットを見下ろしていた。
「は?許さない?何を勘違いしてるんですか?私は結婚の報告をしに来たんです。母さんに結婚の許可を貰いに来たんじゃないですよ。」
「はぁぁああ!!?何を生意気なっ、」
「母さん、私は藤堂悠夏さんと結婚します。今まで育ててくれてありがとーございました。以上です。」
「以上ですじゃないわよぉ!!!待ちなさい!!!!響!!!!!何が結婚しますよ!!そんなの誰も許さないわ!!!尊!!!社長として何か言いなさい!!!!!」
お母様、今度は尊さんに矛先を向ける。尊さんは事も無げに肩をすくめた。
「結婚は本人の自由だな。」
「尊!!!!!!」
お母様、絶叫。で、何か思い出したのか、次の瞬間ハッッと目を見開いた。
「まさかっ、まさかっ、“あれ”を着せるつもりじゃないでしょうね!!?二条の花嫁しか着ることの許されない、あの家宝の白無垢を!!!駄目よ!!!あれは私のものなんだからっ、」
「違うだろ。二条家当主の妻が所有するものなんだから、今は沙奈恵ものだ。」
尊さんが言い返すと、お母様は顔を真っ赤にしてブルブルブル。で、二条先生と尊さんを交互に睨みつけた。
「っとにもう!!!兄弟揃ってなんて親不孝なのかしら!!!先代が見たらきっと嘆かれるわ!!!!!もう知りません!!!!勝手にすればいいわ!!!」
ブチンッッと切られた接続。
え。
えーーーーーーーっっっ!!!???
ちょっとまって、向こうから切ってきたんですけど!!!!!
私一言も喋ってないし、なんなら今の会話さっきお菓子食べてた時間より短い!!!!
「…切られましたね。」
小さく苦笑いする沙奈恵の隣で、尊さんはあっさりタブレットの電源を切った。
「勝手にすればいいと言ったんだから、勝手にしていいんだろう。響、これでいいか?」
「はい。結構です。」
えええええ!!?
いいの!?挨拶がこれでいいの!!??
「え、えっ、」
私が目を白黒させると、尊さんがチラッとこっちを見た。
「問題ないです。ご心配なく。」
有無を言わせぬ、その口ぶり。
な、なんか、ご挨拶がものの3分で終わってしまった…!!
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