ゴミでできた砂浜

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 日が落ちて、青ささえも感じる浜辺。ぼんやりと立ち止まり、いっぱいに詰まったゴミ袋を力を込めて結ぶ。寒さを連れてきた潮風が吹き、季節を感じた。きっと空には煌めく星が散りばめられているのだろう。  けれど、頭を上げることはない。この砂浜はあまりにも沢山のゴミが散らかっているのだから。ガラス、空のペットボトル、ビニール袋。俺はそれを見なければいけない。片付けなければならない。  でも、いつか、毎日欠かさずにここでゴミ拾いをして、この浜辺が裸足で走っても怪我をしないようになったのなら。その時は、頭を上げよう。見上げるその空が、見つめるその海が、ひとりでも綺麗に見えるのかは、まだわからないけれど。
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