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「あぅぅ……倫太郎酷いよぉ足蹴にして。しかも俺を置いて実家に帰るとか。俺、倫太郎一筋だよ?浮気なんてこれっぽっちも考えてないしあり得ないのになんでお前はそんなに俺を邪険にできるんだよ」
「お前の日ごろの行いをよぉく振り返ってからもっぺん同じセリフを言ってみろ」
ぐいぐいと顔を押しやりながら返答を待っていると、インターフォンが珍しくなった。
「誰だよこんな時間に」
時計の針は23時を過ぎていた。
「恭平誰か呼んだ?」
「お前と四六時中イチャコラしてたいのに誰か呼ぶとか有り得ないんですけどぉ」
「……はいはい」
時計に目をやりながら渋々インターフォンの前に立った。
画面に映し出されたのは大柄な男だった。
「誰?」
「なんだよ憲治じゃん」
「うぉ。いつの間に背後に立ってんだよ」
「あいつなら無視しとけ」
いや、そう言うわけにもいかないだろ。
菊ちゃん何となく目元が腫れてる気がする。
恭平の言う事は無視してインターフォンを押した。
「菊ちゃん?」
「ちょ、おま、なんで出るの?」
声が聞こえてホッとした表情を見せる菊ちゃん。何かあったのか?
「別に構わないだろ?」
「いや、構うよ。はぁあ面倒くさぁ。あいつがいると静かに過ごせないじゃんかぁ」
ブツブツ言いながらも玄関に向かう恭平。
髪の毛をボリボリ掻きながら向かう姿を口元が緩みながら見ていると「っあっはぁん♡アリスちゃんがお出迎えなんて幸せすぎるわ♡」菊ちゃんの甘ったるい声が響いた。あの声の感じ絶対恭平に抱きついてるな。
「うざっ。離れろ。倫太郎やっぱり今すぐ帰ってもらえよ」
「いやよっ!ねぇ、アリスちゃん?りん?あたしをここにしばらく置いてくれない?」
「「はいぃ??」」
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