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こんなご時世のせいか、参拝者はいつもより少ないとか……。
「テレビで聞くわりには、人いるな」
恭平が少し背伸びをして前を見た。
「いーなぁ。恭平くん、背が高いからそういう事出来ちゃうんだな」
「そこだけは産んでくれた母親に感謝だな」
「恭平くんのお母さんってどんな感じ?」
「遠い記憶すぎて忘れた」
背伸びをするのをやめ、また首を縮め口を噤んでしまった。
「ごめん、変な事聞いちゃったね」
「別に普通だろ。あんたが気にする事じゃないから」
聞き耳を立てて聞いてる会話に冷や冷やして、振り返って会話を遮ろうとした所で俺の服をグングン引っ張りながら声を上げる菊ちゃんに一同驚いた。
「ねぇ!りん、アリスちゃん、アリスちゃん!見て!見てよ!あれ、あたし達もやらない?あたしもあれやりたぁい♡」
拝殿に近づいて見えてきたのは中で厳かに執り行われている、すずの舞。巫女が優雅に舞うその姿に思わず足を止めている参拝者もいる。
「シーッ菊ちゃん、騒ぎすぎ……ってか何で恭平を二回呼んでんだよ……」
「お前があれをやれるわけじゃないだろ。中で厄除けして貰う人が、プラスしてお願いしてんだよ。っつかもーまじで寒いし早く帰りたい」そう言うと俺の手を急に握り「俺の隣はもう倫太郎しか受け付けないから、誰も近寄るんじゃないぞ」
一気にまくしたて、フンっと鼻を鳴らすとそのまま口をつぐんだ。
勢いで繋がれた手は恭平のポケットに一緒に入れられ強く握りしめられている。途端にドキドキが止まらなくなった。
「憲治。ほら前」
海月さんが菊ちゃんの手を取り前に並び直してくれた。
「……」
「……」
急に二人になっても会話が思いつかない。何てったって左手は強く握りしめられたままで、握ってる本人は相変わらずマフラーで鼻まで隠して話しをする気はなさそうだしで、こっちはさっきの話を掘り返していいのか、考えながらチラチラと恭平の顔色を窺ってしまっている。
「そんな顔で見つめられたら、今すぐキスしちゃうぞ?」
正面を向いたまま途端に声を発せられ勢いよく視線を逸らしてしまった。

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