# Special edition

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「なんでリョウがその薬の量を調節したりスイーツに入れられるの?」 「そりゃ、あいつが持ってる薬だからだろうよ」 「どうやって入手したのよ?」 「さあ?詳しくは知らね、けどクラブに入り浸っているからそっからじゃん?」 そこでクラブの名前を聞いたジェームズさんは頷いた。 それだけで、ジェームズさんの調べていた事と繋がったって事がわかった。 「なんでこの子達に食べさせたの?」 「なんでって…、俺はモモカしか知らねーよ」 「あんたが頼んだって事?」 「言い出したのはリョウだよ、ヒロキが気に入ってるんなら食べさせようよって。そっちの2人は知らねーよ、俺は。リョウはレンを気に入ってたみたいだけど」 トムと私を顎でしゃくりながらそう言うヒロキ。 「あんたが食べたのには薬は入ってなかったの?」 「…俺のはそっち系のヤツだよ、」 「興奮作用が入ってる方って事?」 「まあ…、」 「どうやって薬の違いを見分けてたのよ」 「薬の入ってるヤツは色で区別すんだと。いつもはぜってー教えてくんねーんだけど、今回はリョウが前持って教えてくれたんだよ。まあ、配ったのはアイツだから間違えねーだろうけど。今日は水色って言ってたから俺だけは知ってただけ」 …、うん、確かに水色食べた。 あれ?でも…、 「ちょっと待て、」 トムがヒロキをじっと見据える。 「俺のはクリームはピンクだったぞ」 そう!そうなんだよ、たしかピンクを食べたのはトムとヒロキ。 リョウとカオルはグリーンで、エマちゃんと私は水色、残りの人はパープルだった。 トムは私の記憶と同じ事を口にしているから、記憶違いではない。 「それはクリームだろ?上に乗っかってたヤツにも水色あったろ、それだってそうじゃね?」 ヒロキの言い方が小馬鹿にしているようでムカついたけど、とにかく思い出す。 「上に乗っかってた…って、デコレーションされてたチョコの固いお菓子?」 エマちゃんの問いかけにヒロキは頷く。 「本当かどうかは知らねーけど、水色って言ったんだからそれもそうなんじゃねーの?」 「だってあんたも水色食べてたじゃん、なんで眠くなんないのよ?」 エマちゃんが問いかけると、 「だって俺のはチョコ?ねーやつだもん、元々甘いの好きじゃねーし。それが1番多く乗っかってたのそこの2人が食べたんじゃねーの?リョウが配ったんだから間違わね〜だろうよ」 ヒロキはまたもや小馬鹿にしたようにそう言う。 「つまり、リョウが薬の入ってたスイーツを配ったから薬の多めに入っているのをこの2人に食べさせたって事ね」 ボスが確認して、 「だからそう言ってんだろ」 ヒロキは肯定し不貞腐れる。 「…確認します、ピンク色のクリームには興奮作用の入った薬が入っていて、水色のクリームには睡眠薬が入っていた。で、トッピングのチョコが水色の物にも睡眠薬が入っていた、という事でよろしいでしょうか?」 ジェームズさんが手帳に書き込みながら丁寧に優しくヒロキに尋ねる。 「…はい」 ヒロキもそんなジェームズさんにちゃんと返事を返している。 「でも…カオルが…、私がお腹痛いって嘘ついて教室を抜け出そうとした時、ピンクじゃなかった?って焦ったように聞いてきたんだけど。それってカオルも色分けされてるって事を知ってるって事じゃないの?」 眠い目を必死に開けてそういうと、 はあーっと一際大きな溜息を吐き出したヒロキは、 「リョウはカオルが嫌いで、カオルもリョウが嫌いなんだよ。あの2人表面上仲良くしている風に見せてるけどバッチバチなんだよ。だからカオルがリョウに嘘ついたんじゃねーの?」 …嫌いだからって…嘘の情報流してどうすんのよ、混乱させたいだけ?
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