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結局この日は何の成果もないまま食材を買って帰宅し、 2日目、3日目は、婚約者と店長が揃わず、4日目の調査に入る事になった。 「あれ、リリィさん前髪切った、似合うー」 出勤するなりエマちゃんが褒めてくれる。 「いきなり昨日の晩ザクザクって、こうやって自分で切るんだもん、ビックリしたよー」 ロビンがコーヒーをセットしながら、昨晩私が洗面所で前髪を切った光景を再現している。 「おまけに今日は一段と可愛い格好してるじゃない。ロビンはこういうのが好みなんだー」 リンダさんが似合うわよ〜と私の髪や服を突きながら揶揄ってくる。 「毎日通っているんでバレないように変装です」 そう、今日で4日目。 通い詰めてればバレる可能性も高くなる。 元々移住している私は、そこまで私服も持ち込んでいなかったから昨日ロビンが買ってくれた。 メガネをかけたり、髪をアップに纏めたり、帽子を被ったり、スーツだったりと日々変えてはいるが限界も近い…。 バックや靴にまで気を配るのも大変なのだ。 もうこの際エコバックでも良いんじゃないかと言い出した私に、大笑いしながらボディバックを貸してくれた。 昨日買ってもらった服に合わせて今日は随分カジュアルスタイルだ。 ついでにニット帽子も借りたので何時もは纏めてある髪もおろしてみた。 ロビンも同系色で纏めているから、なんとなーくペアルックみたいに見えなくもない。 「そうしてるとラブラブ加減が伝わってくるわね」 ボスがニンマリ笑う。 「ホントよくお似合いですよ、あ、勿論服も似合ってます。ほお、これは有名なマドレーヌですね」 昨日ショッピングセンターで買ったマドレーヌは巷では有名な洋菓子店の人気商品。甘党のジェームズさんはニッコリ。 「リリィさんは似合いますけど、ロビンさんは無理しちゃってる感が歪めませんね」 フフンとトムが言いながらドッカリとソファーに腰を下ろす。 そんないつものみんなと午前中いっぱい会社で仕事をして、午後ショッピングセンターに向かった。 「今日こそは浮気現場見れるかなぁ」 「どうでしょうね、っていうかそもそも浮気なんてしていないのかもしれないですよね」 「あー嫌な事言うなよー」 「だってロビンもそう思ってますよね?」 そうなのだ、婚約者も店長もそういう関係には見えないのだ。 「信頼しあっている同僚、に見えるんだけどな〜」 「私もです」 この日ものんびりと調査をしているがそういう決定的な現場は見られず、閉店を迎えた。
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