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「ごめん、ごめんな」 ロビンは泣き崩れる私をそっと抱き起こし、そのまま本当にそっとそっと抱きしめた。 私の背中を摩る。 「ごめんな、怖かったよな」 抱きしめる力が少しずつ強くなってくる。 「ごめん、リリィ、守ってやれなくてごめん」 ロビンは悪くないのに、勝手に車を出た私が悪いのに、何度も何度も謝ってくれる。 「ごめん」 背中を摩ってくれていたロビンの手がそっと首筋に触れ髪を…短くなったであろう髪を撫でてくれた。 いつものロビンの温もりに、 その手の優しさに、 私はまた声をあげて泣いた…。 さっきまで蹲っていたせいか身体中がビリビリ痺れている。 でも、そんな身体を労るようにロビンの温もりが包んでくれ、ずっと髪を頭を撫で続けてくれる。 絶えず謝ってくれるロビンの優しさに泣く事しかできなかった。 そうしている間に、何度も何度もロビンの身体から振動が伝わってくる。 ロビンのコートのポケットに入っているスマホが鳴っているんだ。 それはおそらく、私が居なくなった事を心配したロビンがボスに連絡し探してくれているのだと思う。 もしかしたら集合かけられてみんなで探してくれているのかもしれない。 そうだとしたら、早く報告しなきゃならない。 こんな遅い時間にみんなに迷惑かけちゃいけない。 ようやく、正常に考えが纏まってきたところで、ロビンに全体重を預けていた体をそっと離そうとした。 「リリィ、」 「…すみ…ません、電話、」 「…ああ、いいよ大丈夫」 「ダメです、…こ…んなの、…み、見られたくな…い、」 途切れ途切れに言う私を少しだけ緩めた腕の中に抱きしめたままロビンは片手で器用にスマホを取り出し、 「ああ、見つけた、大丈夫だ…、ああ、いや…、……、ああ、」 電話の相手はやはりボスらしく、低めの怒鳴り声が最初聞こえたが私には段々聞こえなくなっていった。 短い会話を終えたロビンは、 「行こう、リリィ、帰ろう」 自分のコートを抱きしめたまま片手づつ脱いで私の身体を覆うように包み込んだ。 「どこか痛むところは?」 優しい問いかけに、顔をロビンの胸に押しつけたまま首を静かに振る。 「抱き上げるぞ」 私が頷くのを確認してから、そーっとゆっくり抱き上げ歩き出した。 振動がなるだけ私に負担をかけないようにと、ロビンの優しい気遣いもあったんだと思う。 さほど揺れる事もなく、怖さも不安もなく、駐車場に停められたままのロビンの車に乗せられた。 「あ、キー」 そこでようやく施錠しなかった事を思い出した。 「大丈夫、バックの中にちゃんと入ってたし貴重品も無事」 その言葉に酷く安堵する。 車を持って行かれたり、イタズラされたり、貴重品盗まれたりしたら…もう…本当に申し訳ないもの。
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