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「兄貴が彩綾に好意を持ってるんだってそう思ってた、」 「私もです、…ショウさんのお店でも店内で視線を逸らされたし…でも、あれは単純に私に興味がないからだったんですね…妹とは視線が合ったけれど偶然だって思ってました」 「…異性だからって思い込んでたんだな」 「はい、こんな事もあるんですね」 ロビンはさっきよりもギュッと強く力を込めてくれて、背中と髪を優しい手つきで撫でてくれる。 「…正直…刺されるって思った…、」 思わず溢れた本音。 「もっと早く見つけていれば…ごめ、」 「謝ったら出て行くから!」 ロビンが本気で後悔してくれているのは痛い程わかっている。 でも、 「え、」 「ロビンは悪くないですよね!私の判断ミスが招いた結果ですよ!謝ってくれる気持ちは充分わかってます、でも、謝ってほしくないんです。とにかくこれ以上謝るなら家に帰ります」 抱きしめられた腕の中からグイッと顔をあげて、 殴られた後の痛々しい顔だろうけど、敢えてその顔を上げて一気に捲し立てた。 「私はロビンに感謝してるんです、だから謝ってほしくないんです。お願いします、もう謝らないでください」 頼りなくてもいい。 痛々しい顔でもいい。 ロビンが謝るくらいなら私が笑おう、そう思って笑みを浮かべた。 この日はロビンの昔話を聞かなかった。 でも、そのかわりにロビンの未来の話を聞いた。 それはそれは楽しい話で、その未来を私も一緒に見れたら良いなと素直にそう思った。 時折、頬をそっと静かに撫でてくれる温かな手は、背中も髪も撫でてくれる。 その手が私には必要なんだと、 この手をこの先も離したくはないと、そう強く思った。 ロビンの温もりと優しさに包まれていつの間にか眠りにつく事が出来た…。
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