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「あの兄妹は、前からちょっと目立っててお灸を据えられたんだよ、リリィの事があったからって訳じゃないから大丈夫だよ」 とロビンはほんとにちょっとだけ教えてくれた。 つまり、以前から同様の手口で問題になっていて被害届とか出されていた?って事かな。それで逮捕? 都合の良い解釈かもしれないけれど、おそらくそういう事なんだと思う。 「もし、私の証言が必要ならいくらでも話します」 そう言った私にロビンは少し驚いた表情をする。 「もちろん、殴られた事も髪を切られた事も怖かったですし思い出すのも正直怖いです、でも、私にはロビンもボスもジェームズさんも…皆んながいてちゃんと守ってくれるので…だから大丈夫です」 「ああ、」 「私は今回の事を有耶無耶にはしたくないし、ちゃんと受け入れます。だから警察にもちゃんと話します。…その時はロビン一緒にいてくれますか?」 「ああ、勿論」 大きく頷いて抱きしめてくれたロビンに、私はギュッと抱きついた。 遅めの朝食を取り、ボスの紹介してくれた美容室に行くために準備をする。 洗面所でいつものようにメイクをしようとしたが、 「うわ、酷いな、」 自分の顔とは思えない程の痛々しさに眉を顰めた。 取り敢えずマスクで隠れるとは思うけど、一応ベースメイクだけはしておこう。 そう思い、化粧水をそーっと叩き込んでいると背後にロビンが立った。 「…使います?」 少し隣に移動してスペースをあける。 「いや」 そう言いながらニコっと笑うロビンは鏡越しに私を見ている。 乳液を薄めに塗り馴染ませている間もロビンは私を見ている。 「…なんですか?…ああ、顔ですか、ちょっと酷いですよね、メイクでもこれは隠れないですよね」 「…メイクしない方がいいんじゃない」 「そうなんですか?傷に悪いですか?」 「うーん、そこはよくわかんないけど、俺はスッピンのリリィを見てるけど、別にメイクしなくても充分可愛いと思うからそのまんまで良いんじゃないって意味」 「…いきなり甘い事言いますね、そういうの簡単に言っちゃダメですよ」 「なんで?」 「なんでって…、そういうのは…同僚じゃなくて、彼女とかに言った方が、」 そこまで言った私を鏡越しに見ていたロビンは、 「うん、」 ニッコリ微笑んだまま頷いている。 …いや、わかっているなら良いんだよ…。
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