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下地を塗り、リキッドファンデを塗る間もニッコリ笑ったまま鏡越しに私を見ていたロビン。
「今から質問するから答えてくれる?」
アイブロウを取り出す私にロビンが話し出した。
「?はい」
「仕事楽しい?」
「はい」
「仕事好き?」
「はい」
「怖い目にあっても?」
「はい、勿論です」
「これからも続けたい?」
「はい、ボスに解雇宣告されるまでは」
「俺とバディ組むの嫌じゃない?」
「はい、全然」
「なら問題ない」
「なんです?」
「結婚しよう」
「…え?」
鏡越しに見惚れる程の笑顔でロビンは確かにそう言った。
「なんとなくわかっているだろうけど、俺はお前が好きだよ、あ…悪い、お前って言っちゃった」
「…いや、今はそこはあまり重要じゃないんで良いんですけど、」
「いやダメだろ、嫌な事をするのは良くない、ごめん、気をつけるよ」
「…はあ、…いや、あのそうじゃなくて、えっと…今、」
「うん、何?何にそんな戸惑っている?」
「え、何って…だって結婚って、…え?結婚?…えっと、…私の事…好きなんですか?」
「…何その質問、わからなかったって事?あんなにわかりやすく接してたのに?」
「ちょ…ちょっと待って、わかりやすいって…どのへんが?」
「そこから⁉︎もうそれ最初じゃん!一緒に食事行ったりしたじゃん」
「食事って、プライベートで誘われた事一度もないですよね?仕事の帰りとか仕事の延長ならありますけど」
「だから仕事帰りはプライベートだろ、業務中じゃないだろー、それに仕事の延長ってなんだよ、延長はないだろ普通」
「…え…じゃあ、お好み焼きもハンバーグもラーメンも焼肉も…?それって…いつくらいから…になります?」
「けーっこう前だよ。やっぱりよくわかってなかったか。なんとなーく反応薄いなーって思う時もあったけどさ、リリィって仕事中もそんな感じだったし。それに流石に一緒に生活してれば気付くだろうって…気づいてなかったって事か」
「一緒に生活って…移住って言ったじゃないですか」
「あの時は緊急事態だったからこうするのが1番安全だったんだよ」
「それはわかってますよ、でもそんな…少しは好意を持ってくれてるのかなぁ…くらいにしか思ってなくて」
「…言葉でハッキリと言わないと気付かないタイプ、なんだな」
「はあ、今まで白黒ハッキリしてきたんで」
お互い鏡越しで見つめ合う。
「じゃあ…ロビンは私がどう思っているか…わかるんですか?」
「うん、わかる」
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