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どういう意味?と私を覗き込むロビンに言っていいものかどうか悩むこと数秒。
でも、言わないとモヤモヤしちゃうし、そんな態度もロビンに対して失礼だと思い…、
「今まで付き合った人、生理ってわかったら喜んでましたよ、ナマでできるって」
「は?」
「生理痛とか出血してるとかお構い無しでした、拒否しても無駄だってのはなんとなくわかったんでされるがままでしたけど」
「いや、でも、それじゃあ女の子に対してあんまりだろ」
「これまでの人はそういう気持ちなかったんでしょね、やりたいだけなんだと思います。ナマってそんなに気持ち良いんですかね?
だから男なんてそんなものかって。性欲に純粋に従ってるだけで、私の都合なんてどうでも良かったんでしょうね、向こうの都合だけ」
「それは…同じ男として申し訳なく思うよ」
「だから多分、男の人に対する理想っていうかそういうのが低いのかもしれませんね、前にもロビンに似た様な事言われましたけど、そういう男の人しか知らないんですよ」
「大事にされなかったのか?」
「ううん、されてたとは思います、それなりに。楽しかった思い出もありますし。でも、正直男の人には女は敵わないじゃないですか、声も力も圧倒的に男性が有利ですもん、そういうのわかってるから逆らったりもしませんでした」
「…なんでわかってた?」
「身近で暴行された人が居たとかじゃないですよ、ただ母親や祖母から『痴漢に気をつけなさい』『肌を露出した格好は男を誘ってるようなものだから辞めなさい』『暗くなる前に帰ってきなさい』幼い頃からそう言われ続けてきたせいかもしれないですね」
「幼い頃からって幾つくらいだよ」
「4つ上の姉が小学校高学年の時には言われていたから、」
「8歳くらいの時にはもう聞いて育っていたって事?」
「はい、毎日毎日食卓囲む度にそういう事言われてれば、男の人って力が強くて性欲を押し付けるもので、女の人は弱いから敵わないんだって子供でもわかるんですよ。だからそういうものだって思っちゃうんです」
「…この仕事でもそう言う事件や話は聞くもんな」
そう言うとロビンは横になってた私をヒョイと膝の上に抱き上げ優しく抱きしめた。
「約束する、俺は彩綾の全てを大事に愛するから。ずっとそうしていくから」
…なんて幸せなんだろう。
こんな言葉を貰える日が来るなんて…。
「私もロビンの全てを愛しますよ、覚悟してくださいね」
うっすら浮かんだ涙を隠すようにしがみついて小さな声でそう宣言した。
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