# Special edition

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翌日も語学の講義では若干の寝不足を補う勢いでグッスリ眠り、その潔い眠りっぷりにトムはあからさまに引いていた。 良いのよ、眠いんだから。 グッスリ眠っているロビンの腕の中でなかなか寝付けない日々なのよ。 「一緒にランチ行かない?」 その声に顔をあげると、ニッコリ笑っているエマちゃん…じゃなくてモモカちゃんが居る。 その隣にはあのグループにいるチャラそうな男子。 「うん、行こっか、ね?」 トムが私の荷物を持ち立ち上がって私に手を差し出す。 頷き手を繋いだ私に、 「うっわ、マジで仲良しこよしだねー、オレ、ヒロキね、よろしく」 チャラ男はヒロキという名らしい。 「コイツはモモカね、俺のだからそこもよろしく」 ヒロキはエマちゃんを俺のだと紹介してきた。 『違うから!勝手にヒロキが俺のだって言ってるだけで何でもないから!』 エマちゃんの目が間違いなくそう言っている。 チャラ男その辺すごーく自分勝手に進めそうだもんね、と哀れに思う。 「俺ハンバーグランチね、大盛りで」 チャラ男ヒロキは独り言にしてはやけにハッキリそう言うと、ガタン、と大きな音をたてて椅子に座り込んでスマホをいじり出した。 はあっ⁉︎ と、エマちゃんとトムと私の視線が瞬時に絡み合う。 『何コイツ、もしかしてアタシに言ってんの?バッカじゃないの⁉︎誰が買ってきてやるもんか!』 『いやいやエマじゃなくてモモカに言ってんだろ?それにしたって随分横柄な態度だな』 『チャラ男…無理』 視線だけの会話でそう言い合い、3人の結論は、 『ぜーったい買ってきてやらないし、奢るわけないだろ!』 この場合…モモカであるエマちゃんは逆らえないよね、チャラ男はターゲットグループ内の1人だもん。探らなきゃいけないんだから変に拗らせたくないよね。 じゃあ…男同士でトム?…いやいやいやいや、男に注意されたら喧嘩吹っかけられたとか言い出しそう。それも面倒くさいな。 …そしたら私か…、まあ一応年上だしね…、怒りそうだけど…まあ仕方ないか。 私なら嫌われてもそんな問題ないだろうし…多分。 よし。 自分に気合を入れてヒロキに向き合った。 「ヒロキも一緒に買いに行こうよ」 取り敢えず誘ってみる。 「あ?俺忙しいから頼むわ」 予想通りの返答。 「そうなの?じゃあお金頂戴、先払いね。あ、レン私アイス食べたい、お願いしていい?モモカも見ておいでよ、さっき話してた抹茶あると思うよ」 一気に捲し立て、ヒロキの前に座って私もスマホを取り出した。 一瞬眉を寄せたトムだけど、私の考えを読んでくれたらしくエマちゃんを誘い連れ立って行ってくれた。 …さて、問題はコイツ。 チラッとこっちを見たから、私が言った事の意味は理解できたと思う。 ヒロキを真似てスマホをいじってみる。
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