友人の遺書

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 あんな先生に渡さなければ、と後悔したAさんは、せめてBさんの親御さんに遺書の内容や学校側の隠蔽について伝えようと思いました。  Bさんの家に行くと、Bさんのお母さんが歓迎してくれましたが、ひどくやつれた様子に見えました。  線香をあげさせてもらってから、 「実は……」  とAさんが打ち明けると、Bさんのお母さんは憤るというより、驚いた顔で話を聞いていました。  Aさんの話が終わった後、 「見てもらいたいものがあるの」  と言って、Bさんのお母さんは一冊のノートを持ってきました。それは水に濡らしたようにふやけていて、ページをめくるのにも苦労するほどだったそうです。
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