友人の遺書

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 Aさんは背筋に悪寒が走りました。  ページにはBさんの筆跡で、「私を虐めた人リスト」とあり、その下に数名の名前が並んでいます。名前の大半は、遺書に書いてあった名前と同じです。  恐怖を覚えたのは、その下でした。担任の先生の名前が、くすんだ赤いインクで書かれていたのです。濡れたせいで滲んだその字は、まるで血で書いたように見えたと、Aさんは語ってくれました。 「もしかしたら、あの子はまだ、川の中にいるのかしら」  いつのまにか、Bさんのお母さんは目に涙を浮かべていました。  Bさんの遺体はすでに見つかっています。けれど魂はまだ、飛び込んだ川から上がってこれずにいるのかもしれないと、Aさんも思ったそうです。  それから一週間ほど経った頃。
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