猫と私の遠い記憶

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猫と私の遠い記憶 私が小学六年生になった頃から、数ヶ月に一回ほど、必ず同じ様な不思議な夢をみる その不思議な夢を見る日は、必ず猫の足跡をみる 小さい頃は何故そんな夢を見るのかも考えもしなかった 人に話す事もしなかった 高校生になったある日 あっ、またいつもの様に不思議な夢を見る予兆の足跡、、 今日は、いつもと少し違う いつもは畑を歩いた感じとか水溜まりを歩いた後の様に足跡が生々しく残っているのに、今日は少し違う、、 不思議な感じ、、 目を疑ったが紛れもなく足跡、、 少し目の前を歩く足跡はついては消えてを繰り返していく まるで猫が私の前を先導するかのよう その足跡は三メートル程で消えた その日の夜、私は今日はどんな夢を見るのかなと少し緊張気味で床につく 何故か、いつも、その夢だけは目を覚ましてもハッキリと覚えている いつも夢には様々な猫が出て来て、ニャ~と挨拶をしていく その夢は日常の一コマを切り取った様な夢で何だか自分が遥か昔に飼っていた猫の様に感じる 私は猫が大好きだけど、家では父が厳しく、生き物は飼わないと、飼うことは出来なかった 朝になり夢を思い返すと、やっぱりいつもと違って不思議な感じ その夢は全く何もない 夕焼け色の空間に私が居る ふと見ると、今まで見たことの無い猫が近寄り、ニャ~と話かけてくるが今回は二言目で人間の言葉で話かけてくる ママ、私の話してる言葉分かる? 私はビックリしながら、、 分かるよと答えた その猫は ママ、またママに会いたくて会いに来ちゃった やっと私の言葉が通じる様になって嬉しい 私はすぐに あなたは誰? その言葉を発した瞬間、目が覚めてしまった、、 何?今の、、 気になる、ママって何だろう? いつもよりも、もっと不思議な夢だった その猫ちゃん達と会う時は、とても居心地が良く馴染んでくるような、自分が以前に飼っていたかのように感じさせた、、 また数ヶ月後、 また夢の予兆、、ついては消える足跡、これはまた前回と同じだった、、 また少し緊張気味に床につく 前回と違い今回は、、 一面真っ白な雪景色、辺りすべて見渡しても果てしなく続いていた ふと、視線を下にやると、また前回と違う猫が私のもとに駆け寄り、飛び付いてくる 私はそのまま抱えて、その猫を見つめる 今回は一言目で人間の言葉で話かけてくる ママ、また会えて嬉しい、また会いに来ちゃった いつも猫は違う猫なのに感覚は一緒、何だかとても初めてとは思えない、ふわりとした居心地の良い感じ このまま、ずっと抱き締めていたくなる 私はずっと気になっていた事を聞いてみた どうして私がママなの? もしかして、前世で一緒に居たの? その猫が答える、、 そうだよ、ママ 私はママの事が大好きなの だからこうして、ママが生まれ変わる度にママに会いに来てるんだ だから、また早くママと暮らしたいなぁ、、 そして夢から目が覚めた、、 今日は今までの夢とは違いスッキリとした夢 不思議な夢だけど、何だか夢だとは感じない 胸の中から湧きだす嬉しい気持ち それから、その不思議な体験や夢はパタリと無くなってしまった、、 また会いたいなと、たまに寂しい気持ちになった ある日、私が二十五歳になった頃、歩いて居ると道の脇にある草むらの方からニャ~ニャ~と泣き声がした 草むらの方を覗くと子猫が私の前に出てきて、夢の様に私を見てニャ~と言ってきた 私はすぐに両手で抱きあげた 初めて出会ったとは思えない感覚と感情で胸の中にじんわり熱くなるのを感じた、、 その感覚で今まで夢であってきた猫、全てが同じ猫だと確信した 私は抱き締め、 またママの所に来てくれて、ありがとう、、 ずっと一緒だよ、、、 ニャ~ 私は目の奥から、じんわりと熱いものを感じた
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