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それについては、少し前まで遡る事になる───
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濃密すぎるあの1日を終えてから。
当然、私とレイモンド殿下が婚約したという話は国中に瞬く間に広がり、令嬢からはお茶会などの誘いが山のように届いた。
「お嬢様、本日もアルバート伯爵令嬢や、子爵家の──」
「そちらに置いておいてちょうだい。後で確認しておくから!」
「かしこまりました。お嬢様」
顔が見えなくなる程の紙束を抱えたマリーナに指示を出しながら、日々の稽古をこなしつつ。
選別した令嬢のお茶会に参加して、レイモンド殿下との馴れ初めなどの質問攻めに合いながら──
慌ただしい毎日を過ごしていた、そんな最中。
王族の封蝋で閉じられた一通の手紙が届いた。
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