▽12:火花散る三人デート

4/7
172人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
  それについては、少し前まで遡る事になる─── ************ 濃密すぎるあの(・・)1日を終えてから。 当然、私とレイモンド殿下が婚約したという話は国中に瞬く間に広がり、令嬢からはお茶会などの誘いが山のように届いた。 「お嬢様、本日もアルバート伯爵令嬢や、子爵家の──」 「そちらに置いておいてちょうだい。後で確認しておくから!」 「かしこまりました。お嬢様」 顔が見えなくなる程の紙束を抱えたマリーナに指示を出しながら、日々の稽古をこなしつつ。 選別した令嬢のお茶会に参加して、レイモンド殿下との馴れ初めなどの質問攻めに合いながら── 慌ただしい毎日を過ごしていた、そんな最中。 王族の封蝋(ふうろう)で閉じられた一通の手紙が届いた。  
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!