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「……俺を受け入れてくれて、ありがとう。ほんと……姉さんは優しすぎるよ」
こつんと、一瞬だけぶつかるおでこ。
頬を包んでいた右手を外して、私の髪を指先に絡めたかと思うと。
その絡められた髪に、ラドルフは軽くキスを落とした。
「……ら、ラドルフ……っ?!」
「あぁ、ごめんね、びっくりした? でも、俺言ったよね? 姉さんが突き放してくれないと、止まれないって」
さっきまでのしおらしさはどこへやら。
ニヤニヤと口角の上がった意地の悪いラドルフの顔が、間近に接近してくる。
「で、でも、さっきは待ってくれるって……」
「それはそれ。これはこれ。俺が待つって言ったのは、姉さんの返事だもんね??」
「う゛……それは、そ、そうかもしれないけど」
「じゃあ、俺が姉さんに迫るのは除外ってことで」
「ひあっ……ンッ!」
薄いネグリジェ越しに、腰を指先でなぞられる。
反射的に嬌声を上げてしまい、慌てて口元を両手で抑えた。
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