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その私の分かりやすい反応に、ラドルフがクスリと一笑する。
「姉さんって……やっぱり、感じやすい? あぁ、ダメだよ。声抑えないで、もっと聞かせて」
「あっ……!」
口元を覆っていた両手首を大きなラドルフの左手が纏めてしまい、私の頭上に固定する。
それは痛くはない、けれど身動きは取れない絶妙な力加減で。
カーテンが全開に開かれたままの窓から降り注ぐ、月光に照らされた私の肢体を、ラドルフは恍惚とした表情で見下ろしていた。
「姉さん……綺麗だ。ね、胸……服の上から触ってもいい?」
小首を傾げて甘えた声でねだるのはいつもの事だけど、言っている内容は可愛くない。
「む、胸…っ?!」
「うん。……まあ、ダメって言われても、触るけど」
「ええっ、ちょっ……まっ、あ」
止める暇も与えられず、ラドルフの右手が私の胸元に伸びてくる。
下から仰ぎ見たラドルフの顔は、鼻歌でも歌い出しそうなほど心底愉しげで、
(……わたし、判断を誤った…?)
なんて、ちょっぴり、自分の言動を後悔した。
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