▼11:義弟ではない、男の顔

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  「…………」 「~~~…っ」 無言で訴えてくる(つぶ)らな瞳に悶える。 くっ……ズルい。 絶対に分かってて、やってるでしょ! 「……もう! 冗談よ。許すから、その目で見つめないで、ラドルフ」 「!!」 途端にラドルフの金色の瞳が、哀愁から嬉々とした輝きを取り戻し、垂れていた幻の犬耳がピンと上向く。 「やっぱり、姉さんは優しいね」 ベッドに二人寝転がったまま。 向かい合う形でぎゅうううと抱き締められて、完全に油断していた。 「──でも、これからは覚悟してね」 「え? ……ンンッ?!」 不穏な囁きに首を傾げる間もなく。 唇全体を食むように口付けられて、驚きに見開いた視界にラドルフの金色の瞳が弧を描く。 「今まで我慢してた分、俺も遠慮しないから」 「……っ!」 仕上げにぺろりと上唇を舐められて、恥辱に頬が上気する。 レイモンド殿下の婚約者になり、弟のラドルフからは告白されて──── 恋愛初心者の自分には、本当にキャパオーバー過ぎます……。  
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