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「…………」
「~~~…っ」
無言で訴えてくる円らな瞳に悶える。
くっ……ズルい。
絶対に分かってて、やってるでしょ!
「……もう! 冗談よ。許すから、その目で見つめないで、ラドルフ」
「!!」
途端にラドルフの金色の瞳が、哀愁から嬉々とした輝きを取り戻し、垂れていた幻の犬耳がピンと上向く。
「やっぱり、姉さんは優しいね」
ベッドに二人寝転がったまま。
向かい合う形でぎゅうううと抱き締められて、完全に油断していた。
「──でも、これからは覚悟してね」
「え? ……ンンッ?!」
不穏な囁きに首を傾げる間もなく。
唇全体を食むように口付けられて、驚きに見開いた視界にラドルフの金色の瞳が弧を描く。
「今まで我慢してた分、俺も遠慮しないから」
「……っ!」
仕上げにぺろりと上唇を舐められて、恥辱に頬が上気する。
レイモンド殿下の婚約者になり、弟のラドルフからは告白されて────
恋愛初心者の自分には、本当にキャパオーバー過ぎます……。
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