▼01:社畜街道と、乙女ゲー

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それに味を占めたらしい、同僚や周りの先輩達は私へ段々と仕事を押し付けるようになり……現在に至る。 自業自得。 それを言われてしまえば、その通りなのだが。 「はぁぁ……また今日も終電コースかな」 頭上にある壁掛け時計を見れば、世の中の良い子はとっくに眠っている時刻だ。 頼まれた仕事と、自分の仕事、ようやく終えて一息つき、軽く腕を伸ばしてからパソコンを落とす。 当然、このオフィスでの最後の住人は私一人。 「はぁぁぁ……いっそ、どこかに現実逃避してしまいたい……」 帰り支度を済ませて、履き慣れたパンプスの靴音を響かせながら、社内の廊下をくたびれた背中で歩く。
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