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プロローグ
12月24日。時刻は間もなく深夜0時を迎えようとしていた。
ここは東京都内某所に建つ警察寮の一室。
ベッドで寝息を立てている若者がいる。
透・大和、22歳。
現在絶賛爆睡中の彼は、捜査の疲れから布団に潜って寝入るまでに、大した時間も要さなかった。
ほんの3カ月前まで無職だった彼も、今では東京警視庁特異犯罪捜査二課の特別捜査員として勤務する傍ら、「魔法使い」でもある奇異な存在だ。
特捜二課は現在、未だ解決していない大きなヤマを追っている。
「協会」から送り込まれた魔法使い、連日東京都内で暴動を起こしている「スキラー」と呼ばれる超技能犯罪者たち、そしてスキラーを統括する運営――「ターレン」と呼ばれる存在の居場所を突き止めることなどだ。
特に今月に入ってから行われた、無人区一斉捜査によって警察とスキラーの衝突が勃発。何名かのスキラーは逮捕されたが、スキラーの筆頭であるランク1位、聖・真沙也は依然として行方が掴めず、特捜二課も最優先で彼の追跡を進めていた。
ベッド脇に置いてある、目覚まし時計の秒針が0の位置を指した瞬間、日付が25日へと変わり、
「――――!」
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