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動機は全くもって不明だが、魔法を信じるよりはいい。
「……おばあちゃん、私のお茶を飲んでみて」
真実を暴くためには肉親だろうが勝負して勝たなければいけない。
まずはお茶が原因かどうか確認せねば。もしお茶に薬が入っていれば、おばあちゃんは拒否するはずだ。
「……まあ、良いけど急に何だい?」
ためらうことなく、コップに口を付ける。最後まで見ていたが、喉の動きやちゃんと液体がなくなっていることから飲んだことが確認できた。
そもそも、このお茶はポットから注がれたものであり、同じポットを使っておばあちゃんも飲んでいたではないか。つまり、液体に毒はない。
ならば次の案を出すまで。
数百冊ものミステリー小説を読破している私にとって、毒は大したことない――――なんちゃって。
……こほん、液体ではなくコップそのものに細工がしてあったパターンはどうだろう。これならば同じ液体を飲んだとしても問題ない。
「次はコップのここを舐めてみて」
私は先ほど自分が口を付けていた当たりを指さす。
「はぁ……」
よくわからないという顔をしたまま言う通りにおばあちゃんが口を付ける。
――――何も起こらない。
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