第一話 魔法使いを驚かす方法

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 アイスが原因か?  もしかして、一回しか効果がないくらいしか付いていなかった?  それとも時効性で即効性はない?  せっかくの謎解きのチャンスなのに、うまくいかない。こんな機会なんてそうそうないのに。  どれだけ頭をこねくり回そうとも天啓は降りてこない。望んだときに限って降ってこない。 「どうだい、魔法はすごいだろう?」昔を思い出してか、若々しい笑顔でそう言ってくる。  どうやら魔法かどうかの検証をしていると思われたみたいだ。魔法なんて頭の隅にもなかったけど。  ……でも、もしおばあちゃんの言う通りだったとして、魔法ってどんな効果なんだ?  結局振り出しに戻る。私のサイコロで進める盤面にゴールは見えない。  先人の知恵を拝借するしかないようだ。  まあ、魔法が本当に存在するなら私にとって歓迎すべきことではある。だって魔法なのだ。人類の英知が到達できていない魅力的な力なのだ。    科学が発展してもわからない謎というものは、いつだって心をくすぐるものなのだから。 「……魔法の何がすごいわけ?」素直に聞くのは癪なので、つっけんどんに質問する。 「あら、魔法の中身について過去の私から聞いてないの?」
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