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過去のおばあちゃん?
じゃあ、今のおばあちゃんは未来のおばあちゃん?気付かぬ間にタイムスリップしてしまっていたのだろうか。
少しの間驚いていたが、私の態度に何か納得したみたいだ。
「やんちゃなのは相変わらずだねぇ。最後まで私の話を聞かないと」
おばあちゃんの中で、いつの間にやら私が勝手に魔法を使用したんだと結論が出ている。
過去のおばあちゃんは必ず魔法の話をする、でも孫は聞いていない、つまり話を聞く前に魔法を使った、という論法だろう。正しすぎて何も言うことがない。これが正論というやつか。
「だって、おばあちゃんの話が長くなりそうだったんだもん」
唇を尖らせ、まったく悪びれない。
でもおばあちゃんは笑ってカウンターを打ってくる。
「おばあちゃんは何も困らないからね。困るのは紗良だから私は話さなくてもいいんだけどねぇ」
……うぅ、それを言われると痛い。
先ほど先人の知恵を借りると決めたばかりなのに、その道が封鎖されてしまうと謎の答えを知ることが厳しくなってしまう。
おばあちゃんは自分の持っている情報の価値をしっかり把握している。
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