8人が本棚に入れています
本棚に追加
/219ページ
「私たち如月家は代々魔女の家系だったのよ。今は魔法使いの血が広がってしまったから誰が発現するかなんて予測がつかないけれど……。でも、いつの時代もいついかなる時間も途切れることなく脈々と受け継がれてきた魔法が紗良に宿ったのよ」
言葉としてはそこまで難しいことを言っておらず、私の脳は意味を理解してくれる。ただ、納得できるかと言われたらNOと答える——脳だけに。
まあ、つまるところ問題文を理解したとしても解けるかどうかは別問題ということだ。
コポコポとおばあちゃんは飲み干したコップにお茶を注ぐ。まだまだ話を終わらせる気はないようだ。
「おばあちゃんがまだ若い頃、そうさなぁ、ちょうど紗良と同じくらいの歳のかわいかった頃、私も魔法使いになったんさ」
……うーん、長くなりそう。
食べ物を提供してもらう代わりに、おばあちゃんの語りをいつも聞いていたのだから、どのくらいの長さになるか想像がつく。妹の紗里はそれが嫌であんまり寄り付かない。
妹がおばあちゃんの家に来るのは、家族で焼肉をするときくらい。こっちの家には、七輪があり本格的な炭火焼きが楽しめるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!