第一話 魔法使いを驚かす方法

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 いつの間に飲み干したのだろうか。胸にある魔法に気を取られていて気付かなかった。  というより、何も景色が変わっていないんだけど。周りを見渡すもおばあちゃんと会話をしていた部屋のままだし、魔法少女のように服装が変わったといいうこともない。何も魔法らしい変化が見られない。  強いて言うならばおばあちゃんの認知症が進んでしまったことくらい。    病気を進行させるなんて不名誉な魔法はやめてほしいんだけど……。  いや、ポジティブに考えるならこんな風にも解釈できる。  他人の記憶を消せる能力。  さて、すこし真面目に考えてみたけど、結局一番正しい解釈は「魔法なんて存在しない」が正解なのだろう。理由は三つ。
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