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因幡神とは対照的な女性を好みと言うことだった。それしか方法が無かった。
「そ、そそそ…そうか…。」
大きく狼狽えた因幡神はふらふらと祠に背を付けた。神である自分がフラれるなんて思ってもいなかったんだろう。そうして、肩を落とす因幡神の様子をしばらく見守っていると、突然怪しく笑い始めた。
「フフ、フフフフフ…分かった!汝が気に入るような女子となろう!それまで待っておれよ!」
高らかに宣言した因幡神はぴょんぴょんと山の奥へと跳んでいく。…取り敢えずは助かったみたいだ。
「…帰ろう。」
これ以上ここに留まりたくない。逃げるように僕は来た道を引き返した。
頑張れ、未来の僕。
小学六年生の僕は未来の事なんて何も考えていなかった。未来の僕はもっと大変なことになるというのに。
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