序の巻 あたしが忍者だとバレた日

3/18
前へ
/55ページ
次へ
呆れ果てたクズ! 女の敵! あたしはキレた。ボコボコにして警察に突き出してやる! その瞬間、盗撮野郎はあたしに向かって突撃してきた。そして、拳や蹴りを繰り出してくる。 いずれもハエの止まるようなスローな速度だ。あたし達忍者が行う初歩の組み手に比べれば、幼稚園のお遊戯会のダンスも同然である。 あたしは簡単に全ての拳や蹴りを受け流し(こんな変態に触れたくない)ていくのであった。 盗撮野郎は三十秒もしないうちにゼェゼェハァハァと息を切らし始めた。 そして、あたしに尋ねた。 「ば、馬鹿な…… 俺は空手のインターハイで全国4位の腕前だったんだぞ! なぜに当たらん!」 インターハイ4位、自慢できる腕前じゃない? そんなものを人様(か弱き女の子)に当てるつもりだったのか…… 度し難い男め。 あたしは軽く飛び膝蹴りを放ち、盗撮野郎の鼻っ柱にブチ当てた。顔面にドス黒い血の花が満開開花宣言! 盗撮野郎は鼻を押さえ、地面をのたうち回った。これが防御できないインターハイ4位の腕前も大したことがない。 それはともかく、人間は人中と言う体の中央に集まる人体急所にダメージを与えると痛みで動けなくなる。おそらくこいつは再起不能だろう。 あたしは盗撮野郎の首根っこを掴み、公園の近くにある交番にそのまま投げて放り込んだ。後はそのまま逮捕コース、あんな女装した変態を逮捕しないなら、この国の司法機関はおしまいだ。 あたしは回収しておいたSDカードの中身を確認せず、そのまま握力でペキンと折った後、更に握力で粉々に潰し、公園の噴水の中に投げ捨てた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加