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諦めなければ、夢はいつか必ず叶う。
VRMMORPGが作りたいとずっと願っていた。
しかしその夢が叶うと分かった時──。
結局それで何がしたかったのかと問われた瞬間、
目の前の道が一瞬で消えた。
目的なんて何もなかった。
有名になりたいわけでもなかった。
金を稼ぎたいわけでもなかった。
たった一人だけのVRMMORPG。
ただ、それがしたいだけだった……。
下準備も整って、すごく嬉しかった。
達成感を覚えていいはずなのに、心はなぜか泣いていた。
この先、どこを向いて歩いていけばいいんだと。
その晩。
ある夢を見た。
世界にたった一つだけの花。
目が覚めて、めちゃくちゃ号泣した。
思い返せば今までずっと歩いてきた足あと。
その足あとはずっと消えずに前を見て歩いていた。
その時、気付いたんだ。
バケツの中で胸を張って
世界に一つだけの花になろう、と。
2021/01/11 10:36
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