act1 closing 「初夜」

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こうして何とか披露宴が滞りなく終わることとなり、やっと萌と結婚できた喜びと、無事に披露宴を終えほっとした気持ちで感無量となった俺は、自分でもビックリな大号泣。気づけば、最後の花婿からの挨拶が花嫁からの挨拶に変わっていた。 誰も、まさかこんな家族の結婚式に出席したとは思ってないだろう。 このことは、俺の家族も、そして、みやまーと拓海も知らない。 前に萌が言っていた。 母親が声を押し殺して泣いている姿を何度も見た。何もできない自分が悔しかった、と。 だから萌は、女を泣かせるような男は許せないんだと思う。 そして、さらにその父親のせいで、萌は結婚に夢も希望も幸せも感じなくなってしまった。 おかげで、俺は萌と付き合うまで3年、結婚するまで7年かかった。 父親の話は、何度目かの告白をしたときに萌から聞いた。良い雰囲気になっても、なかなかうなずいてくれない萌に理由を迫ったら教えてくれた。 たぶん、しつこい俺の告白を断りたかったんだと思う。 けれど、その話を聞いた俺は、 ――俺が萌を幸せにする。 と心に決めた。 それから、めげずにアプローチをし続けてどうにか交際。交際後は、今度はプロポーズし続けて……めでたく今日に至る。
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