あーちゃん、あのね。

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 今回、袋の期間、ちょっと長くない?  前回あけてくれたの、2年前のクリスマスだよね?  もしかして、忘れちゃったのかな。  どくんどくん、ないはずの心臓が、大きく脈打つ音がする。  心を揺らすその原因は、不安。  過去はきっと、変わらない。あーちゃんと一緒にすごした日々は、ぼくの大事な思い出だ。  けれど、未来は、不確かだから。  どうしても、ぼくは不安になる。性懲りもなく、不安になる。  99.999%きみの幸せを願ってるのは、ほんと。  だけど、0.001%の部分は、ぼくのしあわせを願わずにはいられないのも、ほんと。  ……四捨五入したら消えちゃいそうな量だけだから、このくらいは、許してよね。  あーちゃん、あのね。  ほんとうは、思い出してほしいよ。  あの頃みたいに、一緒に寝たいよ。ずっとずっと、一緒に遊んでいたいよ。  でもね、きっとそれはぼくの傲慢。あーちゃんはもう、子どもじゃない。ぼくとずっと一緒にいることなんて、できないんだ。  だから、せめて。ぼくは願うんだ。  今日も愛してやまないきみが、向日葵みたいに笑っていますように。  だいすきでたまらないきみが、泣くのを我慢していませんように。  ――……きみのとなりに、  ぼくの代わりが、いますように。
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