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「好き、好きです、理玖さん!」
「やっ、あっ、んんっぁあ」
肌のぶつかる音と、出し入れする度に響く水音と、鼓膜を刺激する理玖さんの喘ぎ声。
上気した肌と、涙でいっぱいの瞳に、脚を広げて全てを曝け出したあられもない体勢。
耳からも、目からも、理玖さんの色香をこれでもかという程に浴びて酔う。
「少し、待っ、あぁ……激しっ、いぃ、ぁんっ、んっ」
すみません。
無理です。
止まれません。
さっきまでのユルユルとした触れ合いから一転して、我慢の限界を超えた俺は理玖さんを組み敷いて一心不乱に腰を動かしている。
抜こうとすると、理玖さんの中が吸い付いてくる。
挿れる時には絡みついてくる。
擦って引っ掻けると、腕の中の理玖さんが一層大きく喘ぐ。
その繰り返しに嵌まって、もう止まれない。
「ゆきっ、あぁっ、そこ、ヤ……はっ、ああぁ!」
「理玖さんっ、ここ好きですよね」
髪を振り乱して快楽から逃れようとする理玖さんの両腕を掴んで自由を奪う。
どこにも逃げられないように、少しでも近くで沢山感じられるように。
感じ過ぎて辛いと、泣きながら訴えてくる瞳が胸にくる。
理玖さんの前は完全に勃ち上がっていて、少し刺激を与えれば弾けてしまいそうだ。
揺さぶりながら、それもいいかな、なんて密かに口元が緩んだ時だった。
「ようすけぇ、もっ、ムリぃ」
「ちょ……っ!」
何の前触れもなく名前で呼ばれ、勢い余って抜けてしまいそうになった。
焦って、腕を掴む手に力が入る。
いや、ここでそれは反則ですから!
よりによって、こんな時に名前呼びとか!
状況分かってます!?
止めて欲しいクセに、それは完全に逆効果ですから。
フィニッシュに向かう為のアクセルですからね。
これから俺に何をされたとしても、悪いのは理玖さんですよ。
いいですね!
「理玖さん、もっと呼んで? もっともっと言って」
「あっ、ああ、……け、ようすけ、好きぃ、陽輔!」
堰を切ったように俺の名を呼んでくれる。
理玖さんに呼ばれる度に、下半身が追い詰められていく。
この人、絶対に分かっていない。
自分がどれだけ、俺の心と身体を掻き乱すかを。
「もっ、ダメぇっ!」
宣言通り、理玖さんが達した直後、俺も理玖さんの中に放っていた。
肩で息をする互いの身体を寄せ合って、まだ治まらない下半身の熱を理玖さんに擦りつける。
……足りない。
すみません、理玖さん。
まだ足りないので、次で終わりにするので、あと一回お願いします。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2021.1.28
「ガツガツ攻めてくる雪橋も名前で呼んだら違和感で止まってくれるんじゃないかと思った葉山」vs「行為中に初めて名前で呼ばれて有頂天になり更に制御不能に陥る雪橋」の話のつもりです。
雪橋視点はこんな話ばかりですね。
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