35歳、ワンナイトラブ

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この日は全く眠れなかった。 いや、この日だけではない。 夜というのは本当に恐ろしいもので、昼間とは違う静寂に包まれると自分の感情が止めどなく溢れ出してきてしまうのだ。 私はあの日からほぼ毎日のように僅かな時間しか眠りにつく事が出来ず、流したくもない涙がこぼれ落ちるのを止められなかった。 長い夜が明けるまで私は、孤独と空虚感の中に浸り、抜ける事ができないのだ。そして朝が来れば私は嫁であり母親という自分を上手く演じていかなくてはならない。 例えどんなに辛く苦しくてもそれだけは止めることができないのだ。 「おはよう。もう朝だから起きなさいねー!」 旦那とのことも、夜のやりとりも全てに蓋をしていつもの今日が始まる。 でも昨日までと違うのは日常と非日常を行き来する日々が始まったこと、、、。
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