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予定より少し早めに着いてしまった。トイレで身なりを整え待ち合わせの場所でその時を待っていた。
緊張感で手が震える。
「もしかしてマコさん、、、?」
そこには写真で見たのと同じ姿をした男の人が立っていた。
スラリと伸びた手足、華奢な体、、、写真よりも素敵に見えた。
「はい。あなたがタツヤさん?」
ゆっくりと頷くと彼は私に微笑んだ。
「へぇ、君こんなに小柄だったんだね。俺デカいから身長差かなりあるなー」
彼は180程あるだろうか、、、対して私は150。見上げるようにして話をしていた。
「初めましてなのにあんまりそんな気がしないな。堅苦しいから敬語とか無しね。」
彼の優しい笑顔が私の心を溶かしていく。
「そうですね。なんかそんなきがしない」
「敬語は無しって言ったのにダメだよ?使ったら」
「そうだよね。」
他愛もない会話をしながら駅を後にした。彼は私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれた。
旦那は昔から人の歩幅に合わせて歩こうとしない癖がある。付き合っていた頃から私は旦那に合わせようと頑張って歩いていたのだ。
自然にこうやってできる人はきっと気遣いができる人だ。
たったそれだけの行動に心地良さを感じて私は微笑んだ。
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