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私は目を閉じていた。
体に自信なんか無い。
若い頃でさえ自信なんかなかったのに今のこの体を旦那以外の誰かに見せるだなんて思ってもなかった。
恥ずかしさと気まずさでやっぱり目を開く事が出来ない。
彼の手の温もりが肌を伝う度に体が震える。
「、、、ごめん、、、明かり、消して?」
ゆっくりと部屋の明かりが消えていく。
「綺麗だよ」
ー綺麗だよ、、、―
なんという偶然なんだろうか。
彼は、私が旦那との初めてを体験したあの日に旦那が私を見て言ったのと全く同じ言葉を囁いた。
その瞬間、涙が溢れて止まらなかった。
気付いたら私は号泣していた。
まるで決壊したダムから流れる水みたいに押し流されてきた感情を止める事が出来なかった。
ああ、やっぱり私はあの人が好きで仕方ないんだ。空っぽなままのココロも、カラダも、満たせるのはあの人だけなんだ。
どうしてこんな時にまた私の心を奪い返しにくるの?
ズルい、、、ズルいよ、、、
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