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五章 「ミルドラドの人質」
アーノルド・フォンシュタインは爆弾と片手銃を持ってダルジュロスの塔内に入り、市民や騎士たちを攻撃していた。彼はアリスに近づいてきて、「その
栞を渡せ。キンモクセイが入っているのだろう?」と低い声で言う。
彼女が森に向かって駆けだすと、水色の霧があたりに広がった。市民たちが
「のどが痛くなってきた」と泣きながら言っている。アデルの幼なじみラズにミルドラド兵が銃を向けようとした時、シャーリーが月明かりで目を見えにくくして転ばせた。
しかし彼女はエルドランと一緒に捕らえられ、酒のビンが保管されている
倉庫へ入れられた。投げられた栞は彼女が隠し持っている。
アーノルドはアリスに眠り薬を飲ませ、真ん中に丸い柱がある部屋に閉じ込めて鍵をかける。そして全兵に「ミルドラドに戻るぞ」と伝え舵を
回し始め、彼らを乗せた船はダルジュロスから離れていった。
「ラズ!腕から出血してる!」アデルが彼女に駆け寄り、包帯を巻く。
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