ダルジュロス王子とアンダルシアの少女

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「痛くない?」「ええ。ありがとう」アデルはほっとして他のけが人のところへ移動する。腕に包帯を巻いたヴィントの姿が見え、肩をたたくと「俺は平気」と返された。  「アリス」と呟くフォイアーの声音(こわね)には、アーノルドに対する 怒りがあった。  塔内にある図書室で、ヴィントはアンダルシア家が作った首飾りを見つめていた。栞と同じようにオレンジ色のミツが入っており、手に乗せると金色の 石がロープに六個通されているのが分かった。  (彼女が試作した解毒剤を飲んだエルドランは、1分で出血が止まり回復したと話していた。増産してもらい、備蓄して兵たちに持たせよう)  首飾りを机の中にしまい、ヴィントは毛布や暖かい衣服を用意することを 彼らに伝えに行った。   
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