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アリスは船内の部屋で倒れ、鍵を開けて入って来たアーノルドに短剣で背中まである髪を切られた。頭痛で失神しそうな彼女に、「お前たちが
作っていたものをここに出せ」と言い床を指さす。
首を振ると口に猿轡をかまされ、開けられた窓から入って来た雨が体を冷やしていく。体温が下がるのを感じながら、彼女は意識を失った。
シャーリーとエルドランは自力で彼らの部屋から出て、ミルドラド兵と戦っていた。青緑色の氷と素早い剣のぶつかり合いに、「一度戻れ!」と言う声が
あちこちから聞こえてくる。若い兵たちが慌てているのだ。
その時、船の舵に大きな翼とかぎ爪、太い足を持つ鳥が止まり、首を回しているのが見え、二人は廊下を走りながらアリスの部屋へと向かった。
ダルジュロス王国の馬車がミルドラドに到着し、中からヴィントやフォイアーたちが出てきた。彼らは船内に入り、部屋のドアを一つ一つ開けていく。
「兄さん、ここにメモがある!」とフォイアーが小さな紙を拾い上げる。
そこには『私たちは逃げ出せて、大きな鳥をこの船の中で見た』とシャーリー
が書いていた。
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