ダルジュロス王子とアンダルシアの少女

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 彼はエルドランと一緒に広間へ行き、ヴィントに三人を二階の貯蔵庫に入れるよう言った。  「彼らの鎧に彫られている黒い三日月の紋章はミルドラド王国の兵士たちのものだな。現王のアーノルド・フォンシュタインがアリスを人質に取っている」と言って、彼は弟の肩に毛布をかけた。  「浴室に行って温まってから、寝た方がいい」「ああ」フォイアーはそう返して退室する。    その夜、彼はアリスの夢を見た。アーノルドに撃たれそうになっていた彼女のもとに、一羽のワシミミズクが飛んで来ていた。  翌朝広間に行くと、銀色のボタン付きマント姿のヴィントが立っていた。 「おはよう。彼女が監禁されている場所は、ミルドラド王国城内の三階にある 倉庫だと分かった。今から行くぞ」  「ありがとう兄さん」と返し、フォイアーはシャーリーたちとともに4台の馬車で出発した。
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