第1話

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第1話

 山積みになったダンボールに囲まれながら、大きく伸びをする。  開け放った窓からは若葉の匂いを乗せた心地好い風が吹き込む。  新居で浴びる春風は、どことなく格別だ。  ――――高校二年生の春、今日から始まる新生活に、期待を湛えた瞳は燦然と輝き、浮き立つ心が、自然と学校へと赴く足取りを軽くした。
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